泊原子力発電所

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泊発電所の写真

 泊発電所は現在、1号機(平成元年6月営業運転開始)、2号機(平成3年4月営業運転開始)、3号機(平成21年12月営業運転開始)が順調に運転を続けており、その発電設備容量(出力)は207万KWで、北海道の電気の約40%を賄う重要な電源となっています。

 3号機が加わったことにより、泊村は“北海道最大の電気エネルギー基地”となり、21世紀の北海道の暮らしや産業を力強く支えると期待されています。

 

1・2号機

 北海道で最初の原子力発電所の計画は、昭和42年10月に北海道が泊村、島牧村、浜益村の3村を原子力発電所建設予定調査地点候補地として選定発表したことから始まりました。 

 その後、岩宇地区4ヵ町村長、議長、商工会議所で構成した「泊村原子力発電所誘致期成会」や本村では「泊原子力発電所誘致促進会」が結成され、誘致活動が行われ、昭和44年9月には、北海道、札幌通 商産業局、北海道電力(株)の三者協議によって、北海道初の原子力発電所の建設予定地が共和・泊地区に決定されました。 

 昭和53年9月、北海道電力(株)は、発電所のサイト位置を内陸部から泊海岸(泊村大字堀株村)へ変更し、電気出力を57万9千キロワット・2基とすることを表明しました。

 この間、地元では発電所建設について種々の議論がなされましたが、最終的に、地元町村長の同意がなされ、昭和57年3月には、北海道知事が「共和・泊発電所建設計画」について、同意の意見書を経済企画庁へ提出し、第87回電源開発調査審議会において、「共和・泊1・2号機建設計画」が国の電源開発基本計画に組入れられ、同年7月の第88回電源開発調査審議会において「泊発電所」への名称変更の承認がなされ、同年12月に北海道及び関係4町村と北海道電力(株)は、建設工事における環境の保全等を図るため、建設協定に調印しました。 

 昭和59年6月、内閣総理大臣による原子炉設置許可、通商産業大臣による電気工作物変更許可を、同年8月には通 商産業大臣による工事計画認可を受け、北海道電力(株)は同年9月に泊発電所の起工式を行い、建設工事に着手しました。 

 その後、1号機岩盤検査をはじめ、原子炉容器、発電機など次々に主要機器の据付けが行われました。 

 1号機は、昭和63年10月に燃料初装荷、11月には初臨界に達し、平成元年6月から営業運転が開始されました。また、2号機については、平成2年6月に燃料初装荷、7月に初臨界に達し、平成3年4月から営業運転が開始されました。 

 計画から運転開始まで、21年余りの歳月をかけて幾多の困難を克服して、泊発電所は原子の火を灯したのです。

 

3号機

 泊発電所3号機増設計画については、平成8年10月に具体的な検討を進める上で必要な「環境影響評価」の実施につい ての申し入れがあり、その後、1年8ヶ月に及び環境調査が行なわれました。それらの結果 を十分検討した上で、将来的 な北海道における電力の安定供給を図り、かつ、地球環境に配慮しながら、地域のエネルギー・セキュリティーを確保 するため、平成10年7月、北海道電力(株)より3号機増設計画についての申し入れが道をはじめ地元町村になされました。 その後、法律や道条例に基づく環境影響評価書の縦覧や環境影響調査に係る地域単位 の説明会の開催、また道において はエネルギー問題委員会などにより議論が交わされました。

 平成10年9月、総合エネルギー対策推進閣僚会議において、泊地点が『要対策重要電源地点』に指定され、同年11月に は道条例に基づく公聴会の開催、平成11年6月には第1次公開ヒアリングが開催されましたが、同年7月の日本原電(株) 敦賀2号機一次冷却材漏洩事故の発生や、その2ヶ月後に発生した東海村JCO臨界事故により、原子力の安全性に対する 世論が一段と激しさを増し、一部には住民投票との声もありました。 

 こうした中、地元関係漁協や経済団体などが『条件付き賛成』をいち早く表明し、また、地元の各町村は、議会等に おいて安全性や地域振興の問題など色々な角度から慎重に審議を重ねてまいりました。 

 平成12年7月、北海道議会第2回定例会において知事が泊発電所3号機についての考え方を表明し、8月には、地元の意向の照会を求めました。これについて地元町村はそれぞれの議会において議論をし、本村では、8月28日に開催された原 子力発電所対策特別委員会において『条件付き容認』が賛成多数で決議されたのを受け、村長は8月31日、知事に対し正 式に3号機増設計画に対する意向を伝えました。それを受け、知事は同年9月、経済企画庁に対し電源開発基本計画への 組み入れについて異存ない旨の回答を提出し、そして同年10月の144回電源開発調査審議会において国の電源開発基本計 画に新たに組み入れられました。

 また、平成11年6月に第1次公開ヒアリングが開催され、平成13年3月より建設準備工事を開始後、平成14年11月には第2次公開ヒアリングが開催されました。平成15年7月に経済産業大臣より3号機増設の原子炉設置変更許可をえて、同年11年から建設工事が始まり、平成21年1月に熱料初装荷、試運転を開始し、3月には初臨界に達し、平成21年12月から営業運転を開始しております。

 また、3号機で導入が予定されているプルサーマル計画については、平成20年4月に安全協定に基づき岩宇4ヵ町村及び北海道に北海道電力(株)から申し入れがあり、これまで、岩宇4ヶ町村と北海道で専門知識を有する有議者から構成する「プルサーマル計画に関する有議者検討会議」を設置するなどして、慎重に審議を進めるとともに、「泊発電所のプルサーマル計画に関するご意見を伺う会」や資源エネルギー庁主催の「プルサーマルシンボジウム」更には「プルサーマル計画に関する公開シンポジウム」を開催するなどし、地元はもとより道民からも広く意見を求め議論を重ねてきました。平成21年12月には知事及び岩宇4ヶ町村長が有議者検討会議から「プルサーマル計画の安全性が確保される」との提言を受け、平成22年2月に、泊村議会協議会において3号機のおけるプルサーマル計画を容認することとし、岩宇4ヶ町村長がプルサーマル計画の事前了承をする旨を知事に報告後、3月には北海道電力(株)に対して回答しました。これにより、北海道電力(株)では国に原子炉設置変更許可の申請を行い、現在は国の二次審査の手続き中であます。

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