泊村の鰊漁が始められたのは今から約300年前といわれています。明治になって鰊漁が全盛期を迎えると、泊村には50を超える鰊番屋が建ち並びました。鰊漁によって莫大な富がもたらした鰊番屋は泊村の繁栄の象徴でもあったのです。
当時の繁栄を現在に伝える「鰊御殿とまり」は、明治27年(1884)に親方の川村慶次郎氏によって、漁場を経営する親方と雇った漁夫たちが共同生活をするために、独特の構造で建てられた『旧川村家番屋』と、大正5年(1916)頃に武井忠吉氏によって母屋と棟続きで建設された『旧武井邸客殿』で、移築、復元されたもので、どちらも鰊漁が盛んだった当時の姿をいきいきと再現されており、平成13年に泊村で初めて有形文化財に指定されています。
『旧川村家番屋』の2階は、もともと川村家が来客用として使用していた部分で、商談などもおこなっていたようで、往時の繁栄を現在に伝えています。
館内には、泊村の多くの方々から寄贈された鰊漁の様子を物語る貴重な品々が展示・保存されており、泊村の歴史や郷土文化を後世に伝えるための資料館として広く一般 に公開しています。安心してご覧頂けるよう館員一同清潔に心がけ、多くの皆様のご来場をお待ちしております。
開館期間 |
令和4年4月9日~11月初旬 |
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開館時間 | 午前9:30~午後4:30 |
休館日 | 毎週月曜日(月曜日が祝日の場合は、その翌日) |
お問合せ先 |
泊村教育委員会(0135)75-2311 鰊御殿とまり管理棟(0135)75-2849 |
区分 | 大人(高校生以上) | 小人(小中学生) |
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個人 | 300円 | 100円 |
団体 | 1人200円(10名以上) |
袋澗
泊村沿岸には、今もなお鰊漁最盛期の余韻を残す多くの「袋澗」を見ることができます。「袋澗」とは、豊漁で陸揚げしきれない鰊を袋網に入れ、日本海の荒波を避けて一時保管するための網元が作ったミニ漁港です。積丹半島で約100ヶ所あった袋澗のうち泊村には40ヶ所が確認され、それらは岩礁を掘削した”切り間”と間知石を積み上げた”堤”が特徴です。また、北海道遺産の”ニシン漁の記憶「袋澗十選」”に泊村からは、小樽市祝津に移築された鰊御殿を所有した田中家の袋澗(産業考古学会推薦産業遺産指定)をはじめ3ヶ所が選ばれています。
写真は「袋澗十選」にも選ばれた「葛間の澗」です。